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世界の名言集

第一は、外交を内政に優先させなければならないという考えである。外交は国家の存亡に関わる―――国家は外交によってその存続が保証されて初めて、憲法や法律、社会正義や経済に取り組むことができる、というのである。1930年代初頭のその当時、クレーマーは、この考えを20年後のドゴールほどに格調高く説いたとは言いかねるが、しかし力説した。私は、国家の存続が最重要事であることを認めた。けれども、外交がいついかなる場合にも内政に優先するという主張には得心がいかなかった。―――今は当時以上に得心がいかない。古来、数多くの国が―――と、私は反論した―――他国に侵入され、征服されて倒壊したが、同じ程度に国内の腐敗によっても倒壊した―――外交の大家が内政を外交に従属させるために利用した手段そのものが、国家を崩壊させたのだ。彼らが採用した手段は、国を腐敗させ、歪にした。17世紀のフランスのリシュリューがそうだったし、19世紀初頭のオーストリアのメッテルニヒがそうだったし、とりわけ19世紀のドイツのビスマルクがそうだった。この点で手本にすべきだと私が見なしているのはエリザベス朝時代\xA1
のイギリスの初代セシル、つまり女王の顧問でもあり外交の大家でもあったウィリアム・バーレーである。彼は、列強が相争っていたその当時、いかにしてでもイギリスを存続させなければならないことを明確に認識していた反面、常に外交と内政の調和に努め、両者のトレードオフと折衷の必要性を認めていたのである。 --P・F・ドラッカー